アイコン 新聞「農民」

旬の味(2026年06月15日 第1703号)

 「抹茶バブル」という言葉が最近気にかかる。10年以上前に静岡県のお茶農家さんに出会い、畑でのお仕事や茶葉の集荷、製茶を見て勉強させてもらった▼最後に淹(い)れてくださった緑茶がおいしく、私は「やっぱり急須で淹れたお茶がいいですね」と感想をもらした。すると「ペットボトルでもいいから、日本の茶葉を使ったお茶を飲んでほしい。お茶用の茶葉の生産はピーク時の3分の1だよ」との言葉が返ってきた▼そして「日本を代表する飲み物はお茶なのに、どうして学校の給食では毎日牛乳なの?」という質問に、学校で働く私は返す言葉がなかった。それからというもの、5年生の家庭科の授業では質問することにしている▼「日本の代表的な飲み物は?」。今でも声をそろえて返ってくる「お茶!」の声に励まされ、それが印象だけに終わらないよう、さまざまなお茶の種類を並べては日本のお茶の魅力や淹れ方、その心を伝えたいと力が入る。バブルに負けない本当の文化に、あの日から思いは変わらない。(松)