アイコン 新聞「農民」

旬の味(2026年06月29日 第1705号)

 デントコーンの播種作業が終わった。毎年のことだが牛の餌を作るのは大変だ。今では自給飼料を作る農家は少なくなったが、昔はどこの農家でもトウモロコシや牧草の栽培がされていた▼昭和初期、子実用トウモロコシ(濃厚飼料用)は最大で5万ヘクタールもの栽培面積があったと聞く。これは今の飼料用トウモロコシ需要量の半分もの収穫量だと思われる。それが戦後の高度成長期に経済合理性の名のもと、ほぼ全滅状態となった▼これが飼料依存と呼ばれる状態になった原因の一端だ。安い輸入飼料によって多頭化が進み、酪農の大規模化が進み、餌を作ることはもはや無駄とする者もいた。そんな折、2022年に酪農業界を苦しめた飼料高騰の大波にさらされた▼自給飼料作りを続けた酪農家はその影響を多少緩和できたが、輸入飼料依存の酪農家は大変な思いをしただろう。飼料作物の生産基盤を守る考えが国にも生産者にももっとあったならばこうはなっていない。餌を作ることには価格に表れない重要な意味がある。(金)