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FFPJ(家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン)がシンポ(2026年07月06日 第1706号)

女性農業従事者の実情と課題を交流
2026年は女性農業従事者の国際年

オンラインで講演する日比所長

 家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン(FFPJ)が5月31日、国連が今年を「女性農業従事者の国際年」に定めていることを記念し、「女性が参画する農業の実情と意味」をテーマに、オンラインでシンポジウムを開催しました。
 国連食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所所長の日比絵里子さんが、「なぜ女性農業者に注目するのか」について基調講演をしました。日比さんは、世界人口の3人に1人が食料不足の状態にあることを紹介し、「無償労働の負担や男性との収入格差など、女性農業従事者が直面している課題を少しでも解決することで、食料安全保障の問題を解決できるのでは」と投げかけました。
 パネルディスカッションでは、FFPJ常務理事で静岡県でちぃっとらっつ農舎を営む杵塚歩さん、新潟県の水稲と畑作農家の鴫谷玉実さん、そして、土地や家を持たず全国を渡り歩く「フリーランス農家」として300件以上の農家と関わりながら農作業支援と情報発信を行っている小葉松真里さんが、それぞれの経営内容や活動などを交流しました。

ジェンダー平等は家族農業の課題

 営農していくうえでの女性ならではの困難、課題について、杵塚さんは、「女性農業者は、何年たっても“お手伝い”としか見られない。これは全国的な課題ではないか」と提起。「家族農業の課題の一つは、ジェンダー平等をちゃんと保障していく、勝ち取っていくということだと思う」と話しました。
 鴫谷さんは、新規就農した夫と結婚して農家になり、周りの農家に支えられながら有機農業や農産加工に取り組む生活を紹介。青年就農給付金を受給する際に、夫婦は2人分ではなく1・5人分になってしまい、「0・5人分は私のことなのかとモヤモヤしました」と吐露していました。
 小葉松さんは、新規就農をめざすも「女一人で何ができるんだ」となかなか就農できず、ウェブライターや加工品づくり、農村ツアーの企画など「農業を知ってもらう」活動に取り組んでいることを紹介。「販売など生産現場以外でも女性が活躍できる場は多いです」と述べました。
 パネルディスカッションではこのほか、「町内会の組長の当番に妻が出ていくと、なぜ男が出てこないんだと言われる」「農業機械は男性が操縦し、女性が力仕事をしている」など、農村地帯にはまだまだ驚くようなジェンダー差別が残っている実態も出されたほか、「夫婦でも、地域でも、お互いを尊重しつつ話し合いながら、一歩ずつ変えていくことが大切」「新規就農など地域に新しい人が入ってくることで、新しい風が吹いて、地域を元気づける力になっている」など、率直な討論が続きました。

大規模化で多忙極める農村女性

 また、農民連女性部の満川暁代事務局長が、CEDAW(女性差別撤廃委員会)に向けた農村女性のジェンダーアンケートの結果などを報告。若い女性農業者ほど大規模化で多忙を極めている実態などを紹介するとともに、所得税法56条などいまだに家父長制を残した制度があるなど、農村でのジェンダー平等を阻む社会制度や政策転換の必要性が訴えられました。