茨城 食と農を考えるシンポジウムinとりで(2026年07月20日 第1708号)
食と農を考えるとりで未来プロジェクト主催
鯉渕学園農業専門学校元講師
涌井義郎さん
JA常陸組合長
秋山 豊さん
2人を迎えてディスカッション
有機・環境再生型農業への転換を
討論する(右から)秋山、涌井の各氏。
左は司会の根本さん
市・教育委からメッセージ届く
7月2日、茨城県の取手市福祉会館小ホールを会場に県南農民組合を中心とした「食と農を考えるとりで未来プロジェクト」が主催して「食の安全と地域農業の未来を考えるシンポジウム」を開催し、市内や近隣から約60人の参加者がありました。このシンポジウムには取手市と市教育委員会にも呼びかけ、後援と市長、教育長からメッセージをいただきました。
第1部は「未来の子どもたちの食と農業」と題し、元鯉渕学園農業専門学校講師の涌井義郎氏が基調講演を行いました。これまで多くの有機農家を育ててきた涌井さんは、気候危機・温暖化、生き物の絶滅加速、土壌の劣化、真水の危機などを指摘し、これからは環境再生型農業への転換が必要だと訴えました。
今後、子どもたちの未来の食を確保するためには、食料自給の拡大(担い手、技術、資源)として地域自給圏をつくること、伝統技術、地域資源利用技術を見直すこと、次世代農家を育てる仕組みをつくることなどを具体的に提案されました。
有機米でオーガニック給食に
第2部にはJA常陸の秋山豊組合長が「有機農業と地域の取組~JAの取組」と題し報告。専務理事の時、TPP(環太平洋連携協定)問題が発生し、農協全体で絶対阻止を宣言した経験を語りました。秋山組合長は、「県北地域でもあり、工業生産との比較では経済における農業の後進性を感じたが、行き着いた先は『生き残れるのは有機農業しかない』と感じたことだ」と述べました。
さらに「常陸大宮市の鈴木定幸市長の『学校給食をオーガニックに』の公約実現のため、農協に協力を依頼され、2年間は進まなかったが、山田正彦元農水大臣とノンフィクション作家の島村菜津氏(スローフード運動)の訪問、そして茨城有機農業技術研究会の松岡尚孝会長の技術指導により栽培が進んだ。有機米も現在10トンくらい栽培が始まっている」と、この間の経過を報告しました。
最後に「食育が大切であり、近代農業より有機農業はよっぽどおもしろい。茨城も環境にやさしい農業が広がりつつある」と話されました。
第3部は会場とのディスカッション。会場から「不耕起栽培について」「もみがらの処分法」「農家収入減少の解決法は?」などの質問があり、涌井さん、秋山さんからお話がありました。アンケートの内容からも大変好評のシンポジウムとなりました。これからさらに運動を進めていきます。
(茨城・県南農民組合副組合長 根本和彦)

