農家のための税金コーナー 26年度税制改正について①(2026年08月10日 第1711号)
農家に関連する変更点が多数
2年連続で基礎控除引き上げ
2026年度の税制改正でも、農家の申告に影響のある変更が多く含まれています。変更点を何回かに分けて紹介していきます。
基礎控除の増額
所得税の基礎控除の額は定額であり、物価が上昇すると控除の実質的な価値が減少し、実質的な税負担が増加するという課題があることから、今回の税制改正では直近2年間の物価上昇率に応じ本則の控除額を引き上げる制度が導入されました。
これに伴い、26年分の基礎控除は4万円引き上げられ、62万円になります。合計所得が489万円超655万円以下の場合は本則に5万円加算で67万円。489万円以下の場合は42万円加算で104万円となります。(表1)

この引き上げは26年分の申告から適用されます。源泉徴収をしている場合は11月分まではこれまで通りの処理を継続し、年末調整で変更を反映させることになります。「源泉徴収税額表」には27年分から反映されます。
注意 住民税の基礎控除は変更されていません。これにより、所得税と住民税の非課税限度額の差がさらに拡大します。所得税はかからなくても、住民税が発生するケースが増えますので注意しましょう。
給与所得控除も引き上げに
基礎控除と同様に給与所得控除も最低保証額が引き上げられます。25年は65万円でしたが4万円引き上げとなり69万円が本則の最低保証額に。合わせて26、27年の2年限定で5万円加算され74万円が最低保証額となります。(表2)

また給与収入が69万1000円以上220万円未満の場合は26、27年限定で給与所得が表3のようになります。

「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」も改正され、26年の年末調整から適用されます。年末調整時に、改正前の「源泉徴収税額表」によって計算した源泉徴収税額との差額を精算します。
扶養親族の所得要件も引き上げ
基礎控除引き上げにともない扶養親族等の所得要件も引き上げになります。詳しくは表4をご覧ください。

また、配偶者や親族等の合計所得金額(収入が給与だけの場合の収入金額)に応じた控除額は、表5のようになります。

年末調整時には、この改正により新たに扶養親族等の要件を満たすこととなった親族等に係る扶養控除等の適用を受けるために「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」等の提出が必要です。
公的年金等の控除額も変更に
同じく基礎控除の変更に合わせ、公的年金等の源泉徴収額も変わります。
年金から源泉徴収をされている方は、12月の年金支給時に、控除引き上げによる差額の還付が行われます。源泉徴収税額があり、12月に支払いがない場合は、確定申告による還付請求が必要です。
(次号につづく)

