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印旛沼決壊で大洪水 米倉庫の新米1000俵浸水(2026年10月05日 第1717号)

度重なる冠水苦悩深く
被災農家の要求まとめ支援要請しよう

決壊した印旛沼

米倉庫が浸水しました

9月26、27日に浸水した米の片付け作業に汗を流しました(詳細は次号)

「1週間は水が引かないかもしれない」と不安を語る菊間さん

千葉で台風被害

 9月22日、台風25号による記録的な大雨により、千葉県の北印旛(いんば)沼の堤防の複数個所が決壊しました。成田市、佐倉市、栄町などで約5平方キロメートルにわたって大規模な洪水が発生し、家屋や農業施設・機械、ほ場などが広範囲に浸水・水没しました。

 被害は甚大で、刈り取り真っ盛りであったコシヒカリなどのほ場も広範囲に水没し、収穫はほぼ不能状態になっています。干拓地全体の排水能力不足から、水が引くのに時間がかかっており、被害の実態把握にも時間がかかると思われますが、米価大暴落が進むもと、佐倉市などでは8月豪雨によるほ場冠水に続く被害であり、農家の苦悩は計り知れません。
 23日に農民連災対本部は、千葉県農民連の協力のもと現地調査を実施しました。

「国土強じん化」大軍拡より防災

 千葉県農民連で借りている倉庫(成田市)が冠水し、新米1000俵とフォークリフト、選別計量器等が水没しました。
 県連副会長の小倉毅さん(栄町)の新米もこの倉庫に保管していました。印旛沼周辺の畑は、8月豪雨や長雨により刈り取りが遅れていましたが、やっとの思いで収穫しました。小倉さんは、「大規模化している大きな農家ほど被害は甚大です。天候に左右され、適期での刈り取りができない中で、早稲(わせ)品種の田んぼすら多くが浸水しています。政府は、『国土強じん化』というなら、大軍拡より防災が先です。現場のことをよく見て大規模経営ばかり進める姿勢を改めないといけない」と話します。

重機の多く失う もうやめるしか

 印旛沼の干拓地の中に住居や畑を持っている薄田和男さん(80)の住宅は床上浸水し、親戚宅に避難しています。トラクター2台・田植え機2台、コンバイン・トラック・ユンボ・ダンプなど農作業に必要な重機のほとんどが水没してしまいました。
 8月の豪雨でも被害を受けた薄田さん。14ヘクタールのうち、7ヘクタールはまだ稲刈りができていませんでした。「息子に手伝ってもらって農家を続けてきたが、これではもう続けられないかもしれない」と肩を落とします。

1週間水引かない ほ場諦めるしか

 佐倉市の米農家で印旛農民センターの菊間秋彦さんも被害を受けました。「倒伏している無農薬栽培のほ場は何とか刈り取りできないかがんばってみたいが、1週間は水が引かないと思うので、水没したほ場は諦めるしかないと思う。長雨で何度も水害が起き、国が進めてきた大規模農家ほど刈り遅れていて大変な被害だ」と話します。
 印旛沼開発・国営干拓事業が1969年に完成してから決壊は初めてとされており、原因の究明と抜本的な決壊防止工事がなされなければ営農再開のめども立ちません。
 農民連と農民連ふるさとネットワークは引き続き、被災農家の要求をまとめて国への支援要請の取り組みを計画していくことにしています。
 (農民連ふるさとネットワーク代表 湯川喜朗)