アメリカ産生ジャガイモ 輸入解禁を絶対許すな!(2026年10月05日 第1717号)
農民連 ふるさとネット 連続アクション
農家も消費者も輸入は断固反対
首相官邸に「輸入解禁するな!」
「反対の声を広げよう」と誓い合う参加者
農民連と農民連ふるさとネットワークは9月24、25の両日、「生産も食の安全も危ない!アメリカ産ジャガイモの輸入解禁を許さない連続アクション」にオンライン併用で取り組みました。
官邸前
農産物と食料主権 米国に差し出すな
24日は、農民連が呼びかけて、「農産物と食料主権をアメリカに差し出すな!官邸前行動」に取り組み、市民ら120人が結集しました。
主催者あいさつを農民連の長谷川敏郎会長が行い、「20年前は270万トン~280万トンだった国内のジャガイモ生産は220万トンに減り、輸入に取って代わられようとしている。高市首相はアメリカ圧力に屈するな!」と首相官邸に向かって訴えました。
生産者の発言では、長崎県から参加した松永成宣さんが、南島原市ではジャガイモを年2回栽培できることを紹介し、「肥料や機械、燃料などのコストが上がり経営は厳しい。しかし、地域では若い生産者も増えている。生産の意欲を奪う輸入解禁は絶対に認められない」と訴えました。
神奈川県大和市から参加した野菜農家の高橋康雄さん(神奈川県農民連会長)は、「畑の周りは住宅地だが、農地は農産物の生産だけでなく、地震など災害の避難場所にもなる。農地を残すことは住民の命を守ること」だと強調しました。
2人の前国会議員があいさつ。元北海道ニセコ町長の逢坂誠二前衆院議員は、「町長に就任する1年前にほ場でシストセンチュウが発生し、種イモの生産をあきらめざるをえなかった」と振り返り、紙智子前参院議員(日本共産党)も「私が議員在任中の2015年に北海道でセンチュウが発生し、生産者はたいへんな思いをした」と批判しました。
消費者を代表して、新日本婦人の会の平野恵美子副会長が、北海道小樽市でも会員が街頭で輸入解禁反対のスタンディングと署名・宣伝活動が行われたと紹介しました。
農水省要請
生産者からは不安と懸念の声
25日は、農民連と農民連ふるさとネットワークが簗和生農水大臣にあてて、「米国産生鮮ジャガイモの輸入解禁を行わないことを求める要請」を国会内で行いました。
要請は、(1)輸入解禁に向けた手続きを中止すること、(2)侵入するおそれのある病害虫について、リスク評価の内容と根拠、米国との検疫協議の経過を全面的に明らかにすること、(3)国内のジャガイモ生産者や消費者の意見を十分に聞き、その理解と合意のないまま手続きを進めないこと--です。
参加者は冒頭、「日米貿易交渉で農産物の輸入拡大を行わないこと」を求めるオンライン署名8万1761人分を提出しました。
院内集会
残留農薬まみれ 病害虫侵入の恐れ
その後、「生産も食の安全も危ない!アメリカ産ジャガイモ輸入解禁を許さない!院内集会」を開き、会場に50人が参加し、オンラインで70カ所から視聴がありました。
「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」の天笠啓祐共同代表が基調講演。アメリカ産ジャガイモには多くの農薬が使われ、その一つ、RNA農薬は、バイオテクノロジーを応用して遺伝子の働きを妨げるものであり、病害虫を対象に実用化されたものだと指摘。散布した場合、ミツバチなどにも悪影響を与えるおそれがあり、アメリカでは遺伝子組み換え・ゲノム編集ジャガイモが開発され、ゲノム編集作物は表示義務がなく、生物多様性や食の安全への影響評価もない問題点を述べました。
農民連食品分析センターの八田純人所長は、調査でもアメリカ・カナダ産ジャガイモから発芽を止める農薬クロルプロファムが検出されたことを示し、輸入解禁により、アメリカが20年かけても根絶できないシロシストセンチュウが広がってしまうことへの懸念を述べました。
東京大学大学院の鈴木宣弘教授がビデオメッセージを寄せ、「アメリカからの日本への数ある市場開放要求のなかで、とうとうジャガイモの番になってしまった。しかし、国民の声が大きく一つになれば阻止できる」と激励しました。
米国の理不尽な圧力に屈するな
国会議員があいさつ。日本共産党の岩渕友参院議員は、「WTO(世界貿易機関)・SPS(衛生と植物防疫措置)協定をたてにアメリカが輸入解禁を迫っているが、アメリカが約束を守ったことがあるのか」と糾弾。社民党の福島瑞穂参院議員は「政府は『継戦能力』と言うが食料自給率37%でどうやって国民の命を守るのか」と批判しました。
立憲民主党の石垣のりこ参院議員、民主改革の会の神谷裕衆院議員からメッセージが寄せられたほか、国民民主党の芳賀道也参院議員、民主改革の会の野間健衆院議員の秘書も参加しました。
生産者から、北海道小清水町の農家、大沢稔さんが発言し、「私の町でも以前、センチュウが発生し、機械を移動する際に付着した土が広がらないよう洗車しなければならないなど対策に追われた」と振り返りました。
長崎県の荒木大助さんは、「畑が連なる段々畑で栽培している。国内で賄えるジャガイモなど農産物をなぜ輸入するのか」と疑問の声をあげました。
消費者からは、全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)の舘野豊事務局次長が「輸入解禁は地域農業への影響が計り知れない。ポテトよりジャガイモを、ライスより米を守ろう」と述べました。
主婦連合会の平野祐子副会長が「輸入生鮮食品の原材料は安全面でも不安が多いと警鐘を鳴らしてきた。将来の世代のためにも安全な食べものを残していきたい」と述べ、新日本婦人の会の由比ガ浜直子事務局長は「分析センターのポテトチップスの残留農薬検査結果を新婦人しんぶんで報道したら、大きな反響があった。私の一言メッセージで農水省に声を突きつけたい」と表明しました。
日本消費者連盟の原英二共同代表は、「日消連も10月には院内集会を計画している。ポテトチップスメーカー、流通・外食産業にアメリカ産輸入生ジャガイモについての公開質問状を出し、結果を発表していきたい」と述べました。
最後に農民連の岡崎衆史事務局長代行が閉会あいさつ。「今日学んだことを地域、職場に持ち帰り、対話を広げよう。政府や国会議員への働きかけを強めよう」と行動提起しました。

