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水田つぶすメガソーラー 建設計画は中止を(2026年10月12日 第1718号)

耕作している農家や地権者 反対運動に乗り出す
田んぼ守り米を作り続けたい

メガソーラー建設予定地の安養寺白幡地区の水田

8月22日の「つどい」に集まった地元の皆さん

埼玉・鴻巣

 関東平野のど真ん中、埼玉県鴻巣市で、1・2ヘクタールもの水田をつぶして、平置き型のメガソーラー(大規模太陽光発電)を建設する計画が持ち上がり、耕作している米農家や地権者などが反対運動に乗り出しています。

地元の合意なく一方的、強引に

 予定地とされた安養寺白幡地区一帯は肥沃(ひよく)な土壌で古くから稲作が続けられてきました。ここで2024年6月、計画内容もよく知らされないまま設置業者と地権者との予約契約がかわされ、今年3月に突如として測量が始まりました。この直後、建設業者から耕作者に耕作中止が一方的に要請され、「稲刈り後には建設を始める」と通告したことから、地域を揺るがす大問題に浮上しました。
 地権者は10人。自ら耕作する人もいますが、農地中間管理機構(以下、機構)を通じて借り受け、耕作している農家もいます。8月21日には機構や農業委員会事務局を招いて、地元で「つどい」が開かれました。
 「機構」は、当該地域で1・1ヘクタールの農地を借り受け、おおむね10年間の契約期間で担い手に転貸していることや、契約期間中の解約には地権者と耕作者双方の合意が必要であることなどを説明。農業委員会事務局は、太陽光発電を建設するには農地転用の手続きが必要であることや、適正な申請内容であれば許可せざるを得ない旨が説明されました。

耕作中の農地をなぜつぶすのか

 「つどい」では、地元住民や農家から「秩序なきメガソーラー計画ではないのか」と懸念する声が噴出。「ここには耕作放棄地もなく、周辺地域に悪影響を及ぼしている農地もない。食料供給という農地本来の役割をしっかり果たしている水田を、なぜつぶさなければならないのか」、「耕作者の耕作権を守るべき。まともな説明もなく、耕作中止は受け入れられない」、「保水機能や自然環境が悪化するのは明らか」などの意見があいつぎました。
 埼玉農民連会員で、「機構」を通じて借り受けた耕作者の一人、今井健さんは「昨年、地権者の同意も得て、お金をかけて業者に田んぼの均平工事も頼んだばかり。まともな説明も手続きもなく、食料生産よりも金もうけが目的のメガソーラー建設は、温暖化防止にも逆行するものだ」と批判しています。

署名に取り組み農民連へ加入も

 8月31日には「安養寺地区の自然と農地を考える会」が結成され、メガソーラーに反対する署名の取り組みが始まっています。
 埼玉農民連では、今年の春ごろに今井さんら安養寺の皆さんから相談を受けて以降、ともに対策に取り組んできました。そのなかで地元農家や市議会議員などが、新しく農民連に加入し、中心的な役割を果たしています。その一人、地権者で耕作者の原口由美子さんは、「農業は私の生きがい。地球温暖化を止めたいのは私たちも同じですが、この田んぼの豊かな生態系も守りたい。ここにメガソーラーを建設するのではなく、お米を作り続けていきたいです」と話してくれました。