千葉 台風被害 印旛沼の堤防決壊で農民連ふるさとちばネットの米倉庫が水没(2026年10月12日 第1718号)
組合員、知人、友人…
総出で救出活動
みんなで協力して後片付け
片づけ作業が終わりました
9月21、22日の台風25号により、農民連ふるさとちばネットワークでは、成田市北須賀にある倉庫が約1メートル浸水しました。
米が浸水・破袋ぬれた米が発熱
台風当日の21日には、ふるさとちばネットの小倉毅代表が、土のうを積み、排水溝の泥さらいなど対策をとり無事でした。しかし22日の印旛沼の堤防決壊により、倉庫がすっぽり水につかり、倉庫に近づきたくても近づけない状態でした。無事な米があればどうやって外に出すか、「壁に穴をあけて入るか、屋根を外して入るか」など相談しましたが、どれも難しく、水が引くのを待つことになりました。
水は2日間引かず、ようやく24日に中を確認することができました。倉庫内にはフレコン、紙袋含め1345俵分の米が入っていました。水につかった紙袋は破袋し、そのせいでパレットが崩れ、米が散乱している状態でした。フォークリフトも浸水し、修理には100万円ほどかかるそうです。ぬれた米が発酵して熱をもち、庫内はすえた臭いが日に日に強くなり作業が急がれました。
25日から28日まで組合員や、知人、友人、農民連本部や民主青年同盟の学生班、専従者が毎日10人前後が集まり、水にぬれ散乱した米を箕(みの)で回収し、生き残った米を別の倉庫に移し、捨てざるを得ない米を災害廃棄物処理場まで運ぶなど、急ぎの対応をしました。
被害1千万以上支援策求め奔走
おかげさまでなんとか、倉庫内を片付けることができました。近くから、遠くから作業にきてくださった方に本当に感謝します。
その後、保険会社とのやり取りで100万円が補償されることがわかりました。しかし被害額は1000万円を大きく上ります。その差を一体何で埋めたらいいのでしょうか。
成田市に罹(り)災証明を申請し、農業事務所の指導により農政課に被害状況を伝えました。
事務所のある八街市や、県の窓口、農業事務所にも相談し補助金や支援の対象になるものがないか相談しましたが、これと言ってまだ支援策は出ていません。
農業事務所の方からは、「補助金がでるかどうかは、まだ濃いグレーゾーン、今後国の被災事業のメニューがでたときに、適応できるように記録を残しておいてください」と言われました。記録とは、検査結果記録簿、倉庫の受払帳、被災状況のわかる写真、災害廃棄物として処理した写真などです。「米の入庫から最後処理までを証明するものが補助金をもらうのには必要」と言われました。気持ちが焦る中、今できることを教えてもらい心強かったです。
倉庫の洗浄修理国県に支援求め
今後、倉庫の洗浄や修理、仮の倉庫をどうするか、資金繰りなど頭を悩ませることが多いです。理事会を開き知恵を出し合い、また農民連の全国の経験も生かしながら、少しずつでも事態が好転することを願います。
千葉県では本来であれば9、10月は秋冬野菜に向けて作付け作業のピークです。しかし、8月の豪雨災害や長雨と台風で作業は進みません。冠水した田畑があちこちに見えます。刈り遅れた米の品質低下や、収穫さえも諦めざるを得ない生産者が多くいます。生産者にとっても、それを販売する私たち事業者にとっても危機的状況です。なんとか国や県が経営支援策を講じることを訴えたいです。
(農民連ふるさとちばネットワーク 小島朋子)
手伝ってくれた埼玉県の民青同盟学生班の学生(26)が手記
飢えないのは先人たちのおかげ
過去数年の間に各地で災害による被害の報道を目にする機会が増えたように感じるが、それらの災害はどこか遠くで起きていることのようであった。
自然災害などの大きな問題にたいして一人の人ができることはとても限られている。だからこそ、協力して解決できる小さな問題が目の前にあれば取り組んでいきたいと長年思っていたため、今回の倉庫片付けの話を聞いたときは参加しなければいけないと思った。
支援に行く前日に袋が破れ、散らばった新米の広がる倉庫の写真を見た時は衝撃を受けた。だが、さらに驚いたのは当日倉庫に着くと発酵なのか腐敗なのかわからないような強い臭いがあったことだ。水を吸った米は重く支援の次の日は動くと全身が痛かった。倉庫にあった大量の米が食べられなくなってしまったことをとても残念に思った。
今回水没した土地は、江戸時代に米不足を解消し水害を防ぐために干拓が始められ水田になった地域だと聞いた。私は今学生だが、飢える心配をすることなく勉学に励むことができているのは、これまでに費やされた膨大な時間と労力のおかげだと思う。
この先経済的な自立を進めていくことになるが、食品の供給がどのようにしてなされているかを知り、手の届く範囲にいる人と協力しながら変化する環境に適応し担えるようになっていかなければいけないと思った。

