新聞「農民」
「農民」記事データベース20161226-1244-05

農民連第22回定期大会決議(案)

安倍暴走政治とTPP農政ストップ
農業と農村の復権へ、生産、共同、
仲間づくりを広げよう!
(1/10)

2016年12月15日
農民運動全国連合会常任委員会

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はじめに

 この2年間の最大の課題はTPP(環太平洋経済連携協定)とのたたかいでした。日本国内での6年に及ぶ空前のたたかいと、TPP加盟国の民衆の連帯したたたかいでTPPを事実上、発効阻止に追い込んだことは画期的な成果でした。

 こうしたなかで2016年12月9日、安倍政権とその補完勢力は、国民世論を無視してTPP承認案と関連法案を強行可決しました。この暴挙に第22回定期大会の名をもって満身の怒りを込めて抗議します。

 もはや安倍政権と国民の願いが両立しえないことは明白です。農民連は、平和と立憲政治の回復、脱原発、個人の尊厳を求める運動に合流し、安倍政権打倒、TPPからの離脱・日米FTA(自由貿易協定)拒否を求めるネットワークを広げ、国民と野党の共同を発展させて、衆院選挙で自公とその補完勢力を少数派に追い込むために全力をあげます。

 農民連は前大会以後の2年間、農民の多様な要求を実現する運動を基礎に、TPPやアベノミクス農政改革、米価対策、被災者支援など、農業と地域、国民の食料を守る運動を国民諸階層と連帯して進めてきました。こうした運動と結んで会員と新聞「農民」読者の拡大運動などに力を尽くしてきました。

 この間の運動を支えた土台は、家族労働を基本とした農民経営の安定を基礎に、日本農業の自主的発展をめざす農民の団結と結集、広範な国民諸階層との連帯を呼びかけた行動綱領です。

 アベノミクス農政改革が家族経営を排除し、大企業に農地と農村を明け渡すなど、日本の農業にさらなる困難を押し付ける政策を強行しようとしているいま、農民連の役割の発揮と組織の拡大強化がますます求められています。

 農民連は、19年1月に結成30年の節目を迎えます。第22回大会は、これまでの運動の教訓を踏まえて、結成30周年を展望する方針を確立する大会となります。

 安倍暴走政治に国民と野党が共同してたたかう流れが強く大きく発展しているいま、安倍政権を打倒して新しい政治と農政を実現する展望を切り開くためにも、生産と地域に根ざした農民連組織を質量ともに発展させましょう。

T 私たちをとりまく情勢とたたかいの展望

1 日本の農業の現状

 日本の食料自給率はカロリーベースで39%と異常に低く、主要国の中で最低水準です。基幹的農業従事者数は1985年の346万人から2015年には177万人と30年間で半減しました。また、60歳未満の担い手層は、85年に228万人と基幹的農業従事者の66%を占めていましたが、2015年には38万人、21%に低下し、農業基盤の弱体化に拍車がかかっています。

 農業総産出額は85年の11・5兆円をピークに2014年は8・4兆円と27%も減少し、農業所得も4・4兆円から2・8兆円と36%も減少しています。85年には1万8500円(60キロあたり)の水準だった米価は、2015年には1万円程度と45%も大暴落しています。労働者の年間平均給与は、伸び悩んでいるとはいえ85年の約315万円に対し2015年は約420万円と25%上昇しており、格差はさらに拡大しています。農業所得の低下は、農民の経営を極度に圧迫して農業で生計を立てることを困難にし、全国の多くの農村で地域のコミュニティーを維持することが困難になっています。

 95年にスタートしたWTO(世界貿易機関)協定によって日本の農業に新たな自由化と市場原理を押し付けて以降、農業の困難が加速していることを指摘しなければなりません。また、「WTO対策」として国と地方で6兆円余が投じられたものの、自由化対策にはなりえませんでした。

 今日の農業の危機は、自然発生的なものではありません。歴代の自民党政権が“自国の食料は自国で賄う”という食料自給政策を投げ捨て、大企業とアメリカ言いなりに農産物の輸入自由化を推し進めてきたからです。また、世界のすう勢である農産物の価格保障政策を放棄したまま、農産物価格を市場原理に放り込んできた結果です。

 わが国の農業と食料の重大な事態がこのまま続くならば、食料の安全・安定的な供給を危うくし、地域経済や国土、自然環境の破壊など、わが国の将来に重大な禍根を残すことは必至です。

 こうしたなか、最近4年間の新規就農者数が5万人台で推移し、うち40歳未満は1・3万人〜1・4万人前後となっています。2011年3月の東日本大震災・東電福島原発事故などを契機に、都市の勤労者が農業や農村の価値や役割を認識し、定年帰農や都市からの移住、“農的生活”に踏み出す青年が増えていることは大きな希望です。長年の運動で制度化された「新規就農給付金」制度や「地域おこし協力隊」「農の雇用事業」が新規就農者の増加を大きく後押ししています。

 一方で新規就農者の約3割が離農しています。新規就農者を国や自治体、農業関係団体、地域社会が手厚くサポートする体制が不可欠です。奈良県連をはじめ、全国各地で新規就農者の生産技術、経営管理、販路、税務対策、ネットワーク作りなどのサポートが行われ、就農者が定着する力になっています。新規就農者は農民連の働きかけを待っています。

2 国民のたたかいの高揚と新しい時代の幕開け

 東日本大震災・福島第一原発事故以降、市民が政治に自分の言葉で声を上げる動きが広がっています。15年の戦争法反対のたたかいは、若者や学生、若いお母さん、年配の人々、学者・研究者、法曹界、宗教者も含め、様々な分野の人々が立ち上がった“市民革命”というべき運動に発展しました。

 こういう歴史的な国民運動の高揚に後押しされて、15年9月19日に日本共産党が打ち出した「戦争法廃止! 民主主義を取り戻す国民連合政府」の提案は、多くの国民から歓迎され、その後のたたかいに展望を与えました。

 戦争法反対、原発ゼロ・再稼働反対、TPP反対、消費税増税反対、沖縄新基地建設反対、社会保障改悪反対、労働法制改悪反対など「一点共同」のたたかいが、「安倍NO!」で総結集し、安倍政権を追い込むための「野党共闘」を後押しして、16年7月の参議院選挙では32の全ての1人区で野党統一候補を擁立し、11選挙区で勝利する画期的な成果を収めました。

 参院選挙後も、4野党(民進、共産、社民、自由)は、安保法制の廃止や立憲主義の回復、改憲反対、TPPや沖縄問題など参院選での合意を継承することを確認し、臨時国会ではTPPや年金カット法案、カジノ法案などで野党が結束してたたかいました。そして、次期総選挙での「できる限りの協力」を確認し、協議を進めています。

 いま、世界で巻き起こっているのは「トランプ現象」やイギリスのEU離脱、韓国での国民のたたかいなどにみられるように、国民に格差と貧困、経済の空洞化など、塗炭の苦しみを押し付けている強欲なグローバル資本主義への反発です。

 こうした世界の流れが眼中にない安倍政権は、「成長戦略」と称して大企業の利益第一の政策を推し進め、国民に貧困と格差拡大を押し付け、国民生活のあらゆる分野で矛盾を深めています。

 しかし、「アベノミクス成長戦略」の柱であるTPPが漂流状態となり、国内の原発再稼働と一体になった原発インフラ輸出もベトナム政府が拒否して破たんしています。

 平和をめぐっても、12月に「和平合意」が崩壊している南スーダンPKOに派遣している自衛隊に「戦争法」の具体化である「駆けつけ警護」の任務を付与し、自衛隊が「殺し、殺される」危険な状況をつくっています。また唯一の被爆国である日本が、国連での核兵器禁止条約締結交渉開始決議に反対したことは、「核兵器のない世界」への重大な逆行です。さらにTPPの国会批准を最優先するあまり、国際社会の真剣な温暖化対策に背を向けてパリ協定の批准に乗り遅れるなど、安倍政権は世界の流れからも孤立しています。

 追い詰められているのは安倍政権です。参院選の成果を生かして、衆院小選挙区で野党統一候補を擁立し、自公とその補完勢力を少数派に追い込むたたかいがいよいよ重要になっています。

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(新聞「農民」2016.12.26付)