新聞「農民」
「農民」記事データベース20161226-1244-09

農民連第22回定期大会決議(案)

安倍暴走政治とTPP農政ストップ
農業と農村の復権へ、生産、共同、
仲間づくりを広げよう!
(5/10)

2016年12月15日
農民運動全国連合会常任委員会

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   (4)アベノミクス農政から食糧主権・家族経営を基本にした農政へ
 2017年は農地改革から70年にあたります。農地法は家族経営中心主義を維持し、国連も家族農業経営こそが地球を救うと宣言しています。農地法解体・家族経営排除を狙うアベノミクス農政は、こういう日本と世界の歴史的潮流に逆行するものです。

 また、食料自給率が39%で、世界人口の1・8%を占めるにすぎない日本が、世界に出回る食料の5〜16%を買いあさっている状態からの脱却をめざすどころか、「TPP戦略」と称して、わずかばかりの輸出農産物を生産する一方で、食料自給率をさらに引き下げるのは、食糧主権に敵対するものです。

 食糧主権は世界の全ての人が安全な食糧を得る権利であり、全ての国と民衆が自分たちの食糧・農業政策を決定する権利です。

 アベノミクス農政から食糧主権・家族経営を基本にした農政へ――私たちは歴史と世界の大道を進みます。

   (5)規制改革推進会議に対するたたかい
 首相官邸が任命した規制改革推進会議が乱暴な提言を出し、国権の最高機関である国会にくちばしを入れさせないで強行採決するというやり方が常道になっています。

 しかも、規制改革推進会議は、TPP協定で外国人投資家の意見を聞くための「調整機関」と位置づけられており、日米二国間の交換文書には「日本国政府は規制改革会議の提言に従って必要な措置を取る」と明記されている外資代弁の売国機関です。

 TPPが破たんし、アベノミクスが行き詰まりに直面しているいま、TPPも規制改革推進会議もいらないと声をあげるときです。

6 米をめぐる情勢と運動

 (1)米をめぐる情勢

 2016年産が生産数量目標(743万トン)通りなら来年の6月末在庫は187万トン、さらに生産調整の深掘りが進めば179万トンとなり、需給は相当締まる見通しでした。

 全国で飼料用米などのとりくみにより2年連続で過剰作付けは解消されましたが、10月15日現在の全国作況は103で生産量は751万トンと発表され、さらに農水省は11月の食糧部会で2016年産米の相対取引価格の上昇による需要減少が7万トンあるとして、来年の6月末在庫は200万トンとしました。

 17年産米の作柄次第で先々需給が締まる可能性はありますが、急激な価格回復による需要の後退や、中・外食業界のSBS輸入米回帰も予想されます。

 飼料用米拡大などによる需給引き締めで、価格上昇効果があっても、わずかな過剰や不足、大手資本による産地戦略などにより需給も価格も安定せず、生産者も流通業者も先行きの見通しを立てようがありません。市場任せの「米政策」の限界は明らかです。

 (2)SBS米「価格偽装」と「МA米輸入やめよ」の声を

 米菓やみそ、焼酎などの加工用途にМA米が使用され、ふるい下のくず米などが主食に還流し米価下落の要因となってきました。また、10万トンのSBS米は主食用途として流通して業務用米を中心に低米価を定着させてきた要因でした。

 政府は、МA(ミニマムアクセス)米・SBS米が国産米価格の下落要因ではないと説明してきました。

 しかし、国、輸入商社、卸売業者等の三者契約によるSBS米取引の中で輸入商社から卸売業者等へ事実上の値引きにあたる「調整金」が支払われていたことが明らかになり、SBS米の「価格偽装」として大問題となりました。

 政府は「調整金」の実態解明の調査を行いましたが、電話で聞き取り程度の調査で「価格への影響はなかった」としました。これは調査と呼べるものではなく、実態を隠ぺいするものです。また、調整金は本来マークアップとして農水省予算に組み込まれるはずの金額が「裏金」として使われていたわけで「犯罪的行為」といってもよいものです。農水省は「調整金を禁止する措置をとる」としてSBS入札を再開しましたが、実効性には疑問があります。

 引き続き真相の解明と「МA米ストップ、外米の輸入をやめよ」の声を大きくしていく必要があります。

 (3)「2018年問題」と戸別所得補償制度復活

 18年からの生産目標数量の廃止を2年後に控えて、わずかな作柄の変動で需給と価格の混乱は激しくなるおそれがあります。これは、米直接支払交付金の廃止とあわせて、国が主要食糧の需給と価格の安定に対する責任を完全に放棄するものです。

 政府は「収入保険」の法案提出を目指していますが、5の(2)で指摘したように、経営安定対策には程遠い代物です。

 戸別所得補償制度の復活が18年以降の米作りを継続する最低限の条件です。経営所得安定対策の水田活用の直接支払交付金を活用し、主食用米以外も含め多様な生産にとりくみ、米の生産調整を実施すること、新たな経営計画で経営を守ることも重要です。

 政府、マスコミから飼料用米が税金による「高値誘導」との批判が強まっていますが、飼料用米の増産は主食用米の需給調整に効果があったことはまちがいなく、農家の経営の維持や飼料自給率の向上にも貢献するとりくみです。

 (4)茶わん一杯35円が日本の米を守る―「米を守る大運動」を全国各地で

 現在の米の販売価格(5キロ1690円)を茶わん一杯のご飯に換算するとわずか22円です。農家の手取りは1俵(60キロ)1万1000円程度にすぎず、生産費約1万6000円の7割以下です。これでは農家が作り続けるのは不可能です。消費者にとってもお米が安いと喜んでばかりはいられないのです。国産米の作り手がいなくなれば、輸入米に頼ることになりかねません。

 私たちの試算では、茶わん一杯30円であれば農家は生産費をまかなうことができ、35円であれば、農家の後継者が育ちます。

 政府は米の生産費を4割下げろと言い、大手量販店などは価格破壊に狂奔していますが、これでは農家も農村も失われてしまいます。

 「茶わん一杯30円、35円が日本の米を守り、国産米を食べ続けられることにつながる」。こうした声を大いに高め、日本の米を守る運動を広げましょう。

 21回大会以降、米卸団体の全米販、米小売団体の日米連、新婦人、主婦連などに「日本の米を守る運動」を呼びかけ、米飯学校給食の拡大や給食費無償問題などで懇談を行ってきました。

 米農家が経営を続けるための岩盤としての「戸別所得補償制度の復活署名」などとともに、米の消費減に歯止めをかけ、日本の食を取り戻すため広範な消費者、業者、団体・学識者などとの連帯を広げていきましょう。

 (5)地域の共同の力で米政策の抜本的な転換を

 16年参議院選挙で野党統一候補が勝利した東北・北信越、県知事選挙でも勝利した新潟は米主産地であり、米価暴落に対する怒りが勝利の大きな要因でした。14年産米の米価大暴落の際には、過剰米の市場からの隔離など、農民連の要望とほぼ同じ対策を北海道、東北、新潟の知事が連名で政府に要望しました。

 これらに確信を持ち、米政策の抜本的な転換を求める運動に力を尽くしましょう。

 (ア)廃止された米価変動補てん交付金を復活すること

 (イ)18年産からの生産調整の廃止を撤回し、国が米の価格と需給に責任をもつこと

 (ウ)そのために、あらゆる用途の米を大もとで国がコントロールする制度作り、ゆとりある備蓄米制度を確立するとともに、備蓄米を機動的に需給調整にも活用すること

 (エ)生産費を前提にした価格保障を実現すること

 (オ)МA米・SBS米の廃止

(新聞「農民」2016.12.26付)