新聞「農民」
「農民」記事データベース20180205-1297-08

農民連結成30周年にむけ、持続可能な
農業と農山村を保障する農政実現へ、
強大な農民連建設に挑戦しよう!
(3/7)

2018年1月18日
農民連全国委員会決議

関連/農民連結成30周年にむけ、持続可能な農業と農山村を保障する農政実現へ、強大な農民連建設に挑戦しよう!(1/7)
関連/農民連結成30周年にむけ、持続可能な農業と農山村を保障する農政実現へ、強大な農民連建設に挑戦しよう!(2/7)
関連/農民連結成30周年にむけ、持続可能な農業と農山村を保障する農政実現へ、強大な農民連建設に挑戦しよう!(3/7)
関連/農民連結成30周年にむけ、持続可能な農業と農山村を保障する農政実現へ、強大な農民連建設に挑戦しよう!(4/7)
関連/農民連結成30周年にむけ、持続可能な農業と農山村を保障する農政実現へ、強大な農民連建設に挑戦しよう!(5/7)
関連/農民連結成30周年にむけ、持続可能な農業と農山村を保障する農政実現へ、強大な農民連建設に挑戦しよう!(6/7)
関連/農民連結成30周年にむけ、持続可能な農業と農山村を保障する農政実現へ、強大な農民連建設に挑戦しよう!(7/7)
関連/全国委員会の発言から


3、安倍官邸農政から食糧主権・家族経営を基本にした農政へ

 (1)世界の流れは家族経営尊重、農民の権利確立

 国連は、2014年を国際家族農業年としたのに続いて、2019〜28年を「家族農業の10年間」とすることを決議し、国際農民組織ビア・カンペシーナが2000年に提唱した「小農民と農村で働く人々の権利に関する国連宣言(案)」(以下「農民の権利宣言(案)」)の検討を進めています。「小農民」は、日本的にいえば家族経営にあたります。宣言案は、(ア)食料の安定的な供給や環境・生物多様性の保護に果たしている農民の役割を評価し、尊重する(イ)土地・水などの天然資源や種子に対する農民の権利を守る(ウ)各国政府に対し、農民の権利を守る法的・政策的な措置をとることを要求しています。

 (2) “アグリビジネスの権利宣言”を許さない

 日本の戦後農政の枠組みは、「農民の権利宣言(案)」の内容と大筋で一致し、先取りしていたといえるものです。

 しかし、「世界で一番、企業が自由に活動できる国づくり」をめざす安倍政権は、農民の権利を宣言し強化するどころか、それを奪い去り、農業と食料をアグリビジネスの利益のために差し出す“アグリビジネスの権利宣言”を狙っています。こういう時代逆行を許さないたたかいが求められています。

 (3)大規模な人も小規模な人も、集落営農も法人経営も――多様な人々と団結・協力して

 いま、日本は兼業農家から大規模農家、集落営農、法人、あるいは法人に雇用される農業者など、多様な農業経営が存在しますが、圧倒的多数は家族経営か、それを補完する経営です。

 大規模な人も小規模な人も、集落営農も法人経営も――私たちは、多様な人々と団結・協力しあって、農と食、地域を守るために奮闘します。

 (4)食料自給率向上、食糧主権を基本にした農政へ

 食料自給率が38%で、世界人口の1・8%を占めるにすぎない日本が、世界に出回る食料の5〜16%を買いあさっている現状は、世界諸国民と日本国民の食糧主権の確立にまったく逆行しています。安倍政権は、こういう恥ずべき状態からの脱却をめざすどころか、「TPP戦略」と称して、わずかばかりの農産物輸出に傾斜する一方で、食料自給率をさらに引き下げる政策にウツツを抜かしています。

 国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)は17目標中、第2目標として「飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する」をかかげています。日本政府も含めた国際的合意を踏みにじり、食糧主権に敵対する安倍官邸農政から、食糧主権・家族経営を基本にした農政への根本的な転換を要求します。

 (5)「国際家族農業年+10」「農民の権利宣言案」普及・実現の先頭に立って

 かつては国内でほとんど知られていなかった食糧主権は、農民連とNGOの奮闘によって、かなり定着してきました。「国際家族農業年+10」決議は日本政府も共同提出国になって、昨年12月に可決されていますが、「農民の権利宣言案」に対しては、日本政府は妨害者です。

 「国際家族農業年+10」と「農民の権利宣言案」を普及・実現する運動と対話・世論化は安倍農政改革に対抗する重要な旗印です。農民連は運動の先頭に立ちます。

【4】たたかいの到達・教訓と今後の重点について

1、安倍政権NO!のたたかいについて

 (1)命の糧を生産する農民は、安倍9条改憲を許さない

 改憲派は、自公で3分の2以上、希望・維新を含めれば改憲派が8割以上を占める国会の力関係について“改憲のチャンス”ととらえ、2018年の国会で改憲案を発議し、年内に国民投票を実施するスケジュールを描いています。改憲案を出させない、国会発議を許さない世論を急速に盛り上げ、仮に国民投票に持ち込まれても、過半数で否決するだけの世論をつくることが必要です。

 侵略戦争への反省の上に、国民主権、平和主義、基本的人権を柱にした日本国憲法は、平和、人権、経済、教育・文化、税金の使い方などを含めた“国の形”の根幹であり、戦争と戦争のための手段を放棄した9条は、憲法全体の肝です。

 改憲勢力がねらう憲法9条に自衛隊の存在を書き込む改定は、日本をアメリカと肩を並べて戦争する国に作りかえることにほかならず、絶対に許すことはできません。

画像
開会あいさつを行う笹渡義夫会長=1月17日

 日本は戦後、9条を中心にした憲法があったからこそ国際社会への復帰が可能だったのであり、戦後の混乱から復興して世界有数の経済国になりえたのも憲法があったからこそです。農業も同様で、憲法を土台にして農地解放が実現し、家族経営を基本にこれを支える戦後農政の枠組みが確立されました。

 戦争する国への逆行によって平和に生きる国民の権利が侵害され、安全保障を最優先した軍拡政策によって国民の暮らしが大本から破壊されることは、戦前の歴史が雄弁に物語っています。

 国民の命の糧を生産する農業は平和でこそ発展するのであって、戦争とは絶対に相いれません。安倍首相を先頭にした改憲勢力の9条改定を打ち破るために全力をあげようではありませんか。

 9条を守るたたかいと、自由貿易協定・家族農業切り捨てに反対するたたかいは根は同じです。それは、戦争する国づくりを止めるたたかいであり、安倍政権を打倒するたたかいです。

 農民連が農村で「安倍9条改憲ストップ、3000万人署名」を中心にした改憲阻止の先頭に立つことは、多くの人々から共感されて農民連の存在感を高め、組織拡大の条件を広げるとりくみでもあります。

 農民連は、「憲法改悪阻止闘争本部」を設置し、9条改憲反対3000万人署名を30万筆の目標でとりくみます。全会員に呼びかけて1人10筆(署名用紙2枚)以上にとりくむと同時に、農協・実行組合などの団体への申し入れ、地域の様々な団体と協力し、農村集落の全戸訪問など、総対話運動としてとりくみましょう。

 改憲阻止を願う広範な農林水産関係者とともに地域に「農林水産9条の会」を立ち上げましょう。

 農民連本部は署名簿を10万枚印刷し、全会員が2枚以上の署名簿をもってとりくめるように準備しました。街頭署名などを促進するために2種類ののぼりを作るなど必要な資材を準備します。また新聞「農民」紙上でのキャンペーンや情報提供を行います。

 (2)TPP11、 日米FTA、 日欧EPA阻止のたたかいについて

 安倍政権は、日米FTA、TPP11、日欧EPAなど、TPPを超える究極の自由化に踏み込もうとしています。

 農民連は全国食健連の仲間とともに、農協や自治体を訪問し懇談を重ねてきました。訪問した多くの農協・自治体からは「TPP11、日米FTA、日欧EPAなど情報が全くない」「今後の交渉が全てTPP以上になるとはひどい話だ」「日米交渉は進めるべきではない」などの声が上がり、多くの団体が賛同しました。

 市民と野党の共同こそが、自由貿易協定推進を止める道です。引き続き団体への申し入れを重視し、反TPPプラスの運動の再構築をめざしましょう。

 全国食健連は、1〜3月の期間を春のグリーンウエーブ行動として提起しています。全国食健連作製のビラ(TPP11)を活用し、宣伝行動に取り組みましょう。

 農民連は、新聞「農民」で新自由貿易協定の現局面を分析し、警鐘を乱打します。新聞「農民」12月11日号の鈴木宣弘教授インタビューの特集号を活用し、団体への申し入れを進めましょう。

 運動の節目として、「TPPプラスを許さない!全国共同行動」が主催する「通商交渉・グローバル化を考えるシンポジウム」(3月31日午後1時半〜、明治大学リバティタワー1階「リバティーホール」)へ参加しましょう。

(新聞「農民」2018.2.5付)